デンタルケアとは

葉山動物病院では、犬・猫のデンタルケアに力を入れています。
ペットも人間と同じように歯を磨かないと色々な症状がでてきます。
しっかりお手入れをして、健康な白い歯を保ちましょう。

実は、3歳以上の犬の9割が歯周病にかかっていると言われています。歯周病になると歯の変色や口臭の発生等、様々な症状が出てきてしまいます。

犬や猫の歯は本来は白いのですが、デンタルケアを長期間行わないと歯は茶色や黒色に変色、ひどい場合には、歯に付着する歯石がくっついたり、人間と同じように歯茎が垂れてきてしまいます。犬や猫が野生だったころには自然環境の中で自然と歯が磨かれていましたが、人との生活の中ではそうはいきません。

日頃からのお手入れ方法のアドバイス、歯石・歯垢の除去、重度の症状の場合は抜歯手術まで幅広く対応しておりますので、歯のお悩みがございましたらお気軽にご相談ください。

診察の流れ

診察室で口腔内チェックを行います。唇をめくって歯のかみ合わせや歯石の沈着程度、歯肉の炎症、歯の動揺を観察します。

歯石が光って見える特殊なライトを当てたり、歯周病菌を検出する検査キットを利用する事もあります。歯周病は痛みを伴いますので、診察時に口を触られる事を極端に嫌がる子は、歯周病が進行している可能性が高いです。歯周病があっても、本人が痛みを訴えることも出来ませんし、痛くてもお腹がすけば食事を食べます。

ご自宅で確認できる症状、痛みのサイン
・口臭
・よだれ
・食べにくそうな食べ方
(顔を傾けて食べる、特定の歯だけ使うなど)
・口を気にする仕草
・咀嚼時のかみ合わせ音
・頬の腫れ
・鼻水
・くしゃみ
・食欲低下

ちゃんと食事食べられているから問題ないと皆様おっしゃいますが、“食欲ある=歯が健康”ではありません。本人は痛いのを我慢し、諦めていて、まさかこの痛みが治せるとは夢にも思っていないません。

早めに痛みに気づいてあげて、きちんと治療してあげる事が重要です。

デンタルケア(スケーリング)の流れ

実際のデンタルケア例。具体的にどういったケアを行うかSTEP1〜10に分けて、ご説明します。

STEP1 術前検査
麻酔前検査として血液検査やレントゲン検査などを行い、麻酔処置が可能かどうか評価して、処置日を決定します。処置日は絶食絶水にてご来院頂きます。

STEP2 全身麻酔

全身麻酔血管に点滴の針を留置して、事前に抗生剤、鎮痛剤を投与します。その後、全身麻酔導入薬をゆっくりと静脈内投与して気管挿管し、吸入麻酔に切り替えます。

STEP3 局所麻酔

抜歯を行う場合は痛みを最低限に抑えるために、神経伝達部位に局所麻酔を注射します。全身投与による鎮痛剤と併用する事で、術後の回復、食欲に大きな改善が見られます。

STEP4 細菌検査

処置前に歯周ポケットからプラーク(歯垢)を採取し、歯周病菌の検査を行います。嫌気性菌という種類の細菌が検出される場合は、歯周病が進行しやすくなります。

STEP5 おおまかに歯石をとる

器具(鉗子)を使って歯石を大まかに除去します。

STEP6 歯周ポケットの深さを測定

専用のプローブを用いて歯周ポケットの深さを測定します。歯の動揺度合を確認して、抜歯すべき歯があるかどうかを決定します。

STEP7 細かく歯石をとる

機械で歯石を丁寧に除去します。超音波スケーラーという機械を使用します。

STEP8 更に細かく歯石をとる

機械では届かない歯周ポケットの細かな歯石を除去します。(ルートプレーニングおよびキュレッタージ)

STEP9 歯を研磨する

粗研磨用の研磨剤とブラシを用いて、全ての歯面を磨きます。

STEP10 更に細かく研磨する

仕上げ研磨用の研磨剤とラバーカップを用いて、全ての歯面を磨きます。この工程で歯の表面がツルツルになります。

完成!

抜歯が無ければ1〜10までの工程は1時間程で終了します。

抜歯をする場合 歯肉を剥離し、歯槽骨を削ってから抜歯をします。大きい歯(歯根が複数ある歯)は分割してから抜歯します。

抜歯した後は歯槽骨の突起を削り、消毒・洗浄後に歯肉を縫合します。縫合に使用する糸は吸収糸ですので、抜糸の必要はありません。

定期検診について
スケーリング実施後は1週間後、2週間後、1か月後を目途に定期検診を行い、歯の状態を確認しながら、歯磨き指導、デンタルケア用品(歯磨きガム、サプリメント、デンタルジェルなど)の使い方などを確認していきます。

実際の治療について(抜歯のケース)

犬の抜歯

犬は歯石の沈着による歯周病が大半です。進行すると顎の骨が解けたり、歯を喪失することになります。

悪い歯は抜歯して、残った歯を一生懸命磨いてあげる事がゴールドスタンダードです。
犬の口腔内は人間と違い(人間は弱酸性)弱アルカリ性なので、虫歯にはなりませんが歯石が付きやすいです。歯磨きを3日しなかっただけで歯石が沈着しますので、毎日の歯磨きが大切です。

猫の抜歯

猫は歯肉縁や舌、口腔内粘膜が赤く腫れあがる歯肉口内炎が良く認められます。
歯肉口内炎の症状としては、食べにくそうな仕草、よだれ、前肢被毛の汚れ、毛づくろい行動の減少などが見られます。

歯肉口内炎の場合は抜歯により症状が改善します。抗炎症薬による治療やサプリメントもありますが、効果は限定的です。

歯肉口内炎の子には歯磨きをしても痛がったり、そもそも歯垢があまり付いていないことも多いので、歯磨きのメリットが少ないと言えます。

医療器械について

歯科処置に必要な、超音波スケーラー、バキューム、マイクロエンジン、マルチシリンジを備えた歯科ユニットを使用しています。

超音波スケーラー
超音波の振動により、歯石を剥離・粉砕します。

バキューム
各処置、洗浄で口腔内に使用する水および粉砕した歯石を吸引します。

マイクロエンジンに
テーパーシリンダーバーをセット

多根歯の分割に使用します。

マイクロエンジンに
ラウンドバーをセット

歯槽骨の切削、抜歯窩の平坦化に使用します。

マイクロエンジンに
ポリッシングブラシをセット

粗研磨用研磨剤と一緒に1次研磨します。

マイクロエンジンに
ラバーカップをセット

仕上げ用研磨剤と一緒に2次研磨(仕上げ)します。

マルチシリンジ
エアーや注水、噴霧注水を行い、口腔内の洗浄、乾燥に使用します。

 

よくある質問

歯石って歯磨きすれば取れるんですよね?

いいえ。歯石とは歯垢が石灰化した物ですから、磨いても取れません。動物病院で適切な治療を受けさせてあげましょう。

歯周病だからって歯を抜いちゃうなんて可哀そう

お気持ちは分かりますが、抜歯をする歯は、歯を支える歯周組織が2/3以上破壊されていて、改善の見込みが無い歯です。そういう歯を放置すれば痛みを与え続けますし、隣の歯もいずれダメになります。少しでも将来の歯を残すために、ダメな歯は諦めましょう。

歯磨きしなくても、歯磨きガム与えておけば良いんでしょう?

いいえ。歯磨きに勝るホームケアはありません。歯磨きガムも効果はありますが、それだけで万全とは言えません。

普通に食事を食べているから歯周病のはずないですよね?

いいえ。重度の歯周病があっても食事は食べられます。痛みや機能障害があっても、生きるために食べるしかないからです。採食可能かどうかは歯周病の指標にはなりませんので、口腔内をチェックして判断する必要があります。

無麻酔で歯石除去出来ますか?

実施していませんし、お勧めできません。無麻酔で押さえつけて実施する事は、本人の精神的・肉体的苦痛が大きいので、麻酔下でやってあげた方がよっぽど安全で、精神的・道徳的配慮がされています。無麻酔で実施すると見た目はそこそこ綺麗になるのですが、奥歯の裏側や歯肉ポケットへのアクセスも出来ないため、歯周病の進行は止められず、将来的には大半の歯を失う事になります。

Copyright(c) 2016 横浜市磯子区の動物病院 葉山動物病院. All Rights Reserved.